「GC-MSによるフレーバーの異なるクラフトビールの香気成分の分析」のアプリケーションノートです。

キーワード:ビール、香気成分、アロマプロファイル、キャラクタリゼーション、SPME、GC-TOFMS、デコンボリューション

食品および飲料の品質管理において、製品の比較を行うことは不純物、異臭、または目的の化合物の存在を監視するために有用です。ノンターゲット分析アプローチを利用することで、既知または予期されているものに限定されることなく、サンプルの詳細を把握することができます。
GC-TOFMSは、食品および飲料製品の香気成分等のノンターゲット分析を実行するための強力なツールであり、ターゲット分析では見落としている可能性がある成分を明らかにします。
本アプリケーションノートでは、SPME法とPegasus BT® GC-TOFMSを使用して市販のクラフトビール、具体的にはスタウトとコーヒー風味のスタウトの揮発性成分の分析を行いました。
さらに、LECOのChromaTOFソフトウェアのリファレンス機能により、サンプルに含まれる分析対象物の相対濃度を計算し、サンプル比較を行いました。
これら2つのサンプルの多くの類似性により、クロマトグラムを視覚的に比較しても明らかな違いはほとんどありませんでしたが、Pegasus BT® GC-TOFMSの自動ピーク検出機能およびデコンボリューションにより、明確な違いが検出されました。2-フルフリルメチルエーテルとメチルピラジンは共溶出しており、TICのピーク形状はメチルピラジンの寄与が支配的でしたが、「焙煎したコーヒー」の臭いがある2-フルフリルメチルエーテルは、コーヒースタウトでのみ測定されました。 この化合物はおそらく重要な香気成分ですが、GC-TOFMSによるノンターゲット分析とデコンボリューションなしでは見落とされる可能性がありました。
本ワークフローは、サンプルのなかで見落としているものを発見することにより混入物、異臭等の存在を監視する品質管理アプローチとして、食品および飲料業界に広く適用できる可能性があります。

32.PEG_BEER_AROMA_REFERENCE_203-821-479_211x275

詳細は、下記ファイルをダウンロードしてご覧下さい。

GC-TOFMSおよびリファレンス機能を利用したビールの香気成分の差異の検出