「GC-MSによるバター、マーガリン、ショートニング中のシスおよびトランス脂肪酸の分析」のアプリケーションノートです。
キーワード:油脂、脂肪酸、FAME、AOAC 996.06、GC-TOFMS、デコンボリューション
多くの製品では、包装材上に食品の脂肪含有量を報告する必要があるため、さまざまな種類の脂肪を検出して区別することが重要です。AOAC(Association of Official Analytical Chemists)にはGC-FIDを使用した脂肪を検出するためのメソッド996.06があります。
本プリケーションノートでは、GCとTOFMSを組み合わせて、脂肪酸標準と、さまざまなバター、マーガリン、およびショートニングサンプルから抽出された脂肪酸について分析を行い、996.06と同等のクロマトグラフ分離を得ることができました。
37のFAMEを含む標準をGC-TOFMSで分析し、予想される分析対象成分を同定しました。クロマトグラフィーによりシスとトランス異性体の分離が可能でしたが、共溶出する成分もありました。TOFMSデータのデコンボリューションにより、エルカ酸メチルとエイコサトリエン酸メチルを分離することが可能でした。これらは、FIDでは区別が難しいと考えられました。
FIDと比較したTOFMS検出のもう1つの利点は、サンプルから検出された化合物が標準では存在しなかった場合でも暫定的に特定できることです。 MSでは、検出されたスペクトルをライブラリデータベースに対して検索して、見逃されている可能性のある他の重要な検体を特定することが可能です。今回のサンプルからはベンズアルデヒドが検出されました。
Pegasus BT GC-TOFMSは、食品中の脂肪の分析など、日常的なスクリーニングアプリケーションに最適です。 通常FIDを使用するアプリケーションは、MSに切り替えることでメリットを得られます。 クロマトグラフィーで共溶出する分析対象物は、MSデータのデコンボリューションで区別できる場合があり、標準に存在しない化合物は、スペクトルデータベースを検索することで暫定的に特定できます。
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